向精神薬 早見表(種別・投与日数の上限)

第1種・第2種・第3種向精神薬の種別、保険調剤での投与日数の上限(14日・30日・90日)、薬局での保管・記録・事故届の要点をまとめた早見表です。

「麻薬及び向精神薬取締法」で指定された向精神薬は、乱用のおそれや医療での有用性に応じて第1種・第2種・第3種に分かれていて、種別によって記録の義務などが変わります。また保険調剤では、告示で1回に出せる日数の上限(14日・30日・90日)が決められているものがあります。

この表は、薬局で扱う可能性がある主な向精神薬(国内で医療用に使われている成分)をまとめた早見表です。成分名・商品名で絞り込めます。

第1種乱用のおそれが特に強いもの。譲受・譲渡・廃棄の記録が必要。
第2種第1種に次ぐもの。第1種と同じく記録が必要。
第3種多くのベンゾジアゼピン系など。記録の義務はないが、譲受の記録と定期的な在庫確認が望ましい。
種別一般名主な商品名薬効投与日数の上限
第1種 メチルフェニデート コンサータ、リタリン ADHD・ナルコレプシー 30日
第1種 モダフィニル モディオダール 過眠症 30日
第1種 セコバルビタール アイオナール・ナトリウム(注射) 麻酔前投薬など 14日
第2種 ブプレノルフィン レペタン(注・坐剤)、ノルスパンテープ 鎮痛薬 注射30日/坐剤・テープ14日
第2種 ペンタゾシン ソセゴン(錠・注) 鎮痛薬 14日
第2種 フルニトラゼパム サイレース(錠・静注) 睡眠薬 内服30日/注射14日
第2種 ペントバルビタール ラボナ 睡眠薬 14日
第2種 アモバルビタール 販売状況は添付文書で確認 睡眠薬 14日
第3種 トリアゾラム ハルシオン 睡眠薬 30日
第3種 ブロチゾラム レンドルミン 睡眠薬 30日
第3種 ゾルピデム マイスリー 睡眠薬 30日
第3種 ゾピクロン アモバン 睡眠薬 30日
第3種 エスタゾラム ユーロジン 睡眠薬 30日
第3種 クアゼパム ドラール 睡眠薬 30日
第3種 ロルメタゼパム エバミール、ロラメット 睡眠薬 30日
第3種 フルラゼパム 販売状況は添付文書で確認 睡眠薬 30日
第3種 ハロキサゾラム ソメリン 睡眠薬 30日
第3種 ニトラゼパム ベンザリン、ネルボン 睡眠薬・抗てんかん薬 90日
第3種 エチゾラム デパス 抗不安薬 30日
第3種 アルプラゾラム ソラナックス、コンスタン 抗不安薬 30日
第3種 ロラゼパム ワイパックス、ロラピタ(静注) 抗不安薬・抗てんかん薬(注射) 内服30日/注射14日
第3種 ブロマゼパム レキソタン、セニラン(坐剤) 抗不安薬 内服30日/坐剤14日
第3種 クロチアゼパム リーゼ 抗不安薬 30日
第3種 ロフラゼプ酸エチル メイラックス 抗不安薬 30日
第3種 オキサゾラム セレナール 抗不安薬 30日
第3種 クロキサゾラム セパゾン 抗不安薬 30日
第3種 クロルジアゼポキシド コントール、バランス 抗不安薬 30日
第3種 フルジアゼパム 販売状況は添付文書で確認 抗不安薬 30日
第3種 メダゼパム 販売状況は添付文書で確認 抗不安薬 30日
第3種 クロラゼプ酸二カリウム メンドン 抗不安薬 14日
第3種 ジアゼパム セルシン、ホリゾン、ダイアップ(坐剤) 抗不安薬・抗てんかん薬 内服90日/坐剤・注射14日
第3種 クロナゼパム リボトリール、ランドセン 抗てんかん薬 90日
第3種 クロバザム マイスタン 抗てんかん薬 90日
第3種 フェノバルビタール フェノバール、ルピアール(坐剤)、ノーベルバール(注射) 抗てんかん薬 内服90日/坐剤・注射14日
第3種 ミダゾラム ドルミカム、ミダフレッサ、ブコラム 麻酔・抗てんかん薬 14日
第3種 レミマゾラム アネレム 麻酔薬 14日
第3種 マジンドール サノレックス 食欲抑制薬 14日
第3種 ペモリン 販売状況は添付文書で確認 精神刺激薬 30日
  • 投与日数の上限:告示で30日・90日と決められているもの以外の向精神薬は、14日が上限です。海外渡航・年末年始・大型連休など特別な事情があるときは、14日のものも1回30日まで出せます。
  • 向精神薬に当たらない睡眠薬:ラメルテオン(ロゼレム)は向精神薬にも習慣性医薬品にも指定されていません。エスゾピクロン(ルネスタ)や、スボレキサント・レンボレキサント・ダリドレキサントも、この表の向精神薬には含まれません(規制区分は各添付文書でご確認ください)。
  • リスデキサンフェタミン(ビバンセ)は向精神薬ではなく「覚醒剤原料」で、別の決まりで管理します。

薬局での取り扱いの要点

保管

人目につかない場所に置き、従事者が実地に盗難防止の注意をしているとき以外は、鍵のかかる設備に保管します(第1〜3種共通)。

記録

第1種・第2種は、譲受・譲渡・廃棄のたびに品名・数量・年月日・相手方の名称と所在地を記録し、最終記載日から2年間保存します。患者への交付や、患者から返却されたものの廃棄は記録不要です。

廃棄

許可や届出は不要です。焼却・希釈・他の薬剤との混合など、回収できない方法で廃棄します。第1種・第2種は廃棄の記録が必要です。

事故(紛失・盗難など)

下の数量以上がなくなったときは、速やかに都道府県知事(保健所)へ届け出ます。盗まれた・だまし取られたときは、数量にかかわらず警察署にも届け出ます。

散剤・顆粒剤など100g(包)
錠剤・カプセル剤・坐剤120個
注射剤10アンプル(バイアル)
内用液剤10容器
経皮吸収型製剤(テープ)10枚

参考:厚生労働省「薬局における向精神薬取扱いの手引」、愛知県「向精神薬取扱いの手引」(令和6年2月)、厚生労働省告示「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」第十(投与期間の制限)、厚生労働省の向精神薬の指定に関するお知らせ。指定や告示は改正されることがあります。調剤・管理の判断は、最新の告示・通知と各添付文書の「規制区分」欄で必ずご確認ください。商品名は代表的なものの例で、販売中のすべての製品ではありません。